屋外広告物とは?(法律での定義)
屋外広告物は屋外広告物法により、「常時又は一定の期間継続して」「屋外で公衆に表示されるもので」「看板、はり紙・はり札、広告塔及び建物その他のものに表示・掲出されたもの等」とされています。また、これらは商業広告に限らず適用されます。
屋外広告物とは、次の4つの要件をすべて満たしているものをいいます。(屋外広告物法第2条第1項)
●常時又は一定の期間継続して表示されるもの
「常時又は一定の期間」とは、イメージや思想の伝達に要する程度の時間をいいます。1日のうち数時間でも一定の場所に表示されていれば、「一定の期間」ということになります。たとえば、朝開いて夕方閉めるシャッターにある文字などです。また、「継続して」とは、場所的な定着性を有することで、街頭で配布されるビラやチラシは継続してとはいえません。ビラやチラシは、電柱や塀にはられてはじめて定着性を有することになります。
●屋外で表示されるもの
「屋外で」とは、建物やその他の工作物の外側においてという意味で、屋外から見えるということではありません。ですから、ショーウィンドーや電話ボックスの内側にはられたもの、バスの内側から外に向けた広告物は「屋外で」とはいえません。また、屋外であれば、土地の所有形態を問いません。
●公衆に表示されるもの
「公衆」とは、建物などの施設の管理権を有する者の支配下にない、一般の公衆のことです。ですから、公道運行中の運転手や一般歩道の通行人は「公衆」になりますが、野球場の観客や駅構内の改札口内部にいる乗降客は、それぞれの施設管理者の支配下にありますから、「公衆」には該当しません。
●公衆に表示されるもの看板、立看板、はり紙、はり札、広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出、表示されたもの、これらに類するもの
屋外広告物は、屋外広告物そのものである看板、立看板、はり紙、はり札のほか、広告塔、広告板、建物その他の工作物等(煙突、塀、岩石、樹木等)を利用して掲出、表示されるものも含みます。たとえば、建物の壁面をスクリーンに利用するものも、屋外広告物に該当するわけです。
また、建築物の外側などに絵画または写真を表示することは、その内容が表示する事業者に関係がない場合でも、一定の観念やイメージなどを伝達する事を目的としている「公衆に表示」と認められて屋外広告物に該当します。
これらの4つの要件に該当すれば、営利的なものであれ、非営利的なものであれ、表示内容のいかんを問わず「屋外広告物」になります。
屋外広告物を規制する目的
屋外広告物の設置を無制限に認めてしまうと、都市や自然の景観が著しく損なわれますし、設置した屋外広告物が倒壊したり、信号機や道路標識の見通しを悪くして交通事故を発生させる危険も出てきます。そこで、屋外広告物の設置に際して「良好な景観の形成又は風致の維持」(風致とは自然の美をいいます。)と「公衆に対する危害の防止」を図る必要が生じますが、静岡県ではこの対策の一環として、原則として屋外広告物を設置できない地域(特別規制地域)、県知事の許可を受けることにより屋外広告物の設置が可能となる地域(普通規制地域)を指定し、また、屋外広告物を設置したりすることを認めない物件(禁止物件)を定めています。自分の家の敷地に設置する屋外広告物であっても、一定の規模を超えると規制の対象になることがあるのは、このような理由によるからです。